
「ステーションコア」の概要
東京・浜松町駅は主要交通機関が集積する利便性の高いターミナル駅であり、羽田から東京の玄関口としての機能も果たしている。昨今、駅周辺では複数の大型再開発プロジェクトが進行しており、今後はさらに駅利用者・来訪者・就労人口が増加し、都心部の拠点の一つとしてこれまで以上に重要な役割を担っていくことが見込まれている。

プロジェクト全体像
この浜松町駅では現在、「浜松町駅西口開発計画」と「芝浦プロジェクト」が同時に進行している。前者は、㈱世界貿易センタービルディング、野村不動産㈱、東日本旅客鉄道㈱、東京モノレール㈱、鹿島建設㈱の5社が進めているものであり、後者は野村不動産と東日本旅客鉄道が共同で推進する国家戦略特別区域計画の特定事業だ。同事業では浜松町ビルディングの建替事業として2025年2月竣工のS棟と、2030年度竣工のN棟からなるツインタワー建設を予定がされており、浜松町駅の新しい象徴となることが期待されている。

芝浦エリアの歩行者専用通路
中でもとりわけ注目されるのが、駅を中心とした広大な歩行者ネットワークが形成されていることだ。この規模の歩行者ネットワークは「ステーションコア」とも称されており、歩行者が歩きやすいデッキや、雨に濡れずに移動ができる庇の設置なども行われ、今後の都市開発の先進的事例となっている。
計画では、浜松町駅北口を中心に、竹芝・汐留方面、芝大門方面の各エリアをつなぐ歩行者ネットワークを形成する。線路を跨いで東西を繋ぐ自由通路はJR浜松町駅・東京モノレール浜松町駅の北口に新たに整備される改札(3階レベル)からフラットにアクセスが可能となる(使用開始は2026年度を予定)。
一方、南口にも既存の自由通路に加え、新たな自由通路を整備。混雑緩和やバリアフリーへの対応を図る。これにより、浜松町二丁目エリアと、芝浦エリアをつなぐ歩行者ネットワークが強化される(新たな自由通路は2024年度使用開始予定。その後既存の自由通路を改修し、2026年度全面使用開始予定)。
さらに浜松町駅東側には、旧芝離宮庭園に沿って歩行者専用道路を整備。これによって竹芝・汐留方面と、芝浦方面が緑豊かな空間でつながる。浜松町駅から芝浦プロジェクトにかけて庇を設置することにより、雨に濡れずアクセス可能となる。